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おもちゃ花火はどこで使用できるのか

2024年10月11日(金)

一般質問Vol.6

1.給食停止に対する措置と今後の対応について

2.おもちゃ花火はどこで使用できるのか


2.おもちゃ花火はどこで使用できるのか

 花火をしたいけれどもできる場所がないという声をこの夏よく耳にしました。夏の風物詩の一つであり、家族や友人と花火を楽しめる場所がないというのはとても寂しく感じます。

 そこで、富士市としての対応について、以下質問いたします。 

(1)現在、おもちゃ花火はどこで使用できるのか。 

(2)おもちゃ花火の使用について、市民の声は聞いたことがあるか。 

(3)富士市として今後何ができるのか。 


動画34.35〜


◎市長(小長井義正 君) 市川議員の御質問にお答えいたします。

 「おもちゃ花火はどこで使用できるのか」のうち、現在、おもちゃ花火はどこで使用できるのかについてでありますが、おもちゃ花火の使用につきましては、富士市火災予防条例第26条で、「がんぐ用煙火は、火災予防上支障のある場所で消費してはならない。」と定められており、安全におもちゃ花火を使用できれば、特に場所の制限はしておりません。しかしながら、使用者のマナー等に問題がありますと、付近住民とのトラブルに発展するおそれもありますので、自宅敷地以外でおもちゃ花火を使用する場合、使用場所の所有者や管理者に承諾を得る必要があると考えております。

 次に、おもちゃ花火の使用について、市民の声は聞いたことがあるかについてでありますが、毎年夏になりますと、市ウェブサイトに掲載している問合せフォームなどに、花火ができる場所があるか、公園で花火ができるかなどの問合せが寄せられます。具体的な場所など可否を問う質問であれば施設等を管理する部署から回答しておりますが、市内のどこで花火ができるかという質問につきましては、市として特に推奨している場所はないことをお伝えしております。また、周囲の方に迷惑をかけることのないよう、使用後の火の始末やごみの持ち帰りを徹底していただくとともに、私有地で行う場合には、所有者の許可を取った上で、火の取扱いに注意し行っていただくようお願いしております。

 次に、富士市として、今後何ができるのかについてでありますが、現在、本市では、毎年6月から7月にかけて、市内の幼稚園や保育園、小学校を対象に花火教室を実施しており、引き続き、園児や児童に対して、おもちゃ花火の安全な使用について指導してまいります。今後は、「広報ふじ」や市ウェブサイト等を活用して、おもちゃ花火の使用方法等について広く市民に対して周知してまいります。

 私からは以上でございます。



◆3番(市川真未 議員) 市長答弁で、安全に使用できるのなら場所の制限はしていないとした上で、自宅敷地外では使用場所の所有者や管理者に承諾を得るというのは、一体どこを想定されて、一体誰に承諾を得ればいいのでしょうか。こちら、お答えください。


◎都市整備部長(鈴木潤一 君) こちらは施設の管理者ですので、例えば公園ならば公園の管理者、道路なら道路管理者、川でしたら河川管理者、あと海岸でしたら海岸の管理者、そういったふうになります。あるいは私有地でしたら、その私有地の管理者ということになります。 


◆3番(市川真未 議員) それでは、施設の管理者、例えばみどりの課を所管する部長にお伺いしたいのですが、公園で現在、花火を使用できるところはあるのでしょうか、お答えください。


◎都市整備部長(鈴木潤一 君) 公園での花火の使用でございますが、現在、富士市で管理している公園は、大小様々でございますが、全部で445か所あります。こちらにつきましては、都市公園条例に基づきまして原則禁止としておりますので、現時点ではございません。 


◆3番(市川真未 議員) 現時点では花火ができるところはないというお答えだったかと思いますが、近年、マンションなどの集合住宅で暮らす人や、一軒家でも住宅街で暮らす人が多い中、公園が駄目、河川敷が駄目、道路は駄目、海は駄目。自宅でできない人は、一体どこで花火をすればいいのでしょうか。

 私は今回、おもちゃ花火について質問しています。おもちゃ花火というのは、家庭で子供たちが遊ぶような手軽で小さな花火のことで、線香花火やススキ花火などの手持ち花火に加えて、地面に置くネズミ花火やロケット花火なども含まれています。この地面に置くタイプというのが、やはり危ないだとか引火するかもしれないと言われるのは理解できますが、そもそも個人で、例えば手持ち花火をするというのは、そこまで危ないのでしょうか。

 例えば火事や事故が怖いならば、庭でやるほうが危ないと思います。使用者のマナー等に問題があると近隣住民とのトラブルが発生するおそれがあるから承諾が必要というふうに、多分自宅かどこか住宅街でやるときの話なのかもしれませんが、マナーに問題がある、マナーが悪いから駄目だというのは、あまりにも考えなしの発言だと思います。

 社会がどんどんネガティブでクレーマーを増やした要因は、こういった小さなことの積み重ねだと思います。そもそも、そのマナー、しっかりと教えているのでしょうか。

 本市では、市内の幼稚園、保育園、小学校を対象に花火教室を実施しているとの御答弁でしたが、それなのにマナーが悪いというのは一体どういうことでしょうか。マナーが悪いというものについてお答えください。


◎都市整備部長(鈴木潤一 君) 議員おっしゃいますとおり、手持ち花火、例えば線香花火ですとかお子様がやるような花火につきましては、確かに広い場所であれば、火災ですとか、そういう危険性はちょっと少ないとは思いますが、例えばマナーの一つとしましては、よくあるのが、ごみをそのまま置いていってしまう。まずそれが1つ。それと、例えばいろんなマナーといいますと、花火というのは、ただ持って静かにやっていただくだけではなくて、子供とか中学生とか若者が来ますと、やっぱり楽しいので、すごく声が大きくなる傾向があります。もう一つ、時間も、なるべくある程度、夜7時、8時ぐらいの時間でしたらまだいいんですけれども、夜遅くやってしまう人ですとか、あと夜間、やはり近所の方に御迷惑をおかけしてしまうとか、もう一つ、花火も、子供は楽しいので、皆さん経験があるかどうか分かりませんが、手持ち花火を結構振り回すという言い方はあれなんですけれども、そういうお子さんもいらっしゃいまして、結局回したときに花火がちょっと飛んでいってしまうとか、花火の使い方なんですけれども、そんなこともあろうかと思います。


◆3番(市川真未 議員) 問題としてはごみ問題や騒音、声、そして時間帯ということでしたが、こういった安全やマナーに対する啓発というのも必要だと思います。ただあれも駄目、これも駄目、マナーに違反するかもしれないから駄目と言ってマナーや周囲を気遣う、学ぶ機会すらも与えてくれていないのが現状だと思います。

 マナーが悪い、守らない人というのは、正直、禁止したところで、許可のない場所かどこかでやってしまうのではないでしょうか。しっかりと真面目にマナーを守る人たちが、そんな少数の人たちのせいで損をしたり、困っているのはおかしいと思います。

 (2)の質問のおもちゃ花火の使用について、市民の声は聞いたことがあるかについて、答弁で、やはり問合せが寄せられているとのことでしたが、市として特に推奨している場所はないとのことでした。では、どこですればいいのでしょうか。

 お手持ちの資料を御覧ください。

 こちらは東京都内と愛知県内の対応を御用意させていただきました。先月の読売新聞の記事では、東京都内の自治体が管理する公園全40区市の中で半分以上である26区市が、試行も含め、手持ち花火を解禁する動きが広がっており、うち5区についてはここ2年で解禁いたしました。

 お隣の愛知県は、土地面積でいうとできるところのほうが多くなっています。そんな動きがある中で、もしも都内または愛知県とかから移住してきた人は、せっかく都会の喧騒から離れ、花火を楽しみたいと思っても、富士市ではできるところがないのと驚かれてしまうかもしれません。

 こちらに案内看板を挙げました。杉並区では、公園の利用について長年見直しを行ってこなかったということで、子供を含めた区民の方々に、2024年、今年の初めにアンケートを取って、それに基づいて、花火だけではなく喫煙やボール遊び、犬の連れ込みなどについて、子供の夏休み期間に合わせて新しいルールをスタートしました。また、この杉並区が行ったアンケートは一般用と子供用に分けて実施されており、公園での花火については、少人数で周囲に配慮すればオーケーにしてほしいという回答が最多だったとのことです。

 こうして自治体の管理する公園で解禁していくという動きがある中で、富士市でもこのようなアンケートを子供用と大人用に分けて取ってほしいと思うのですが、いかがでしょうか、お答えください。


◎都市整備部長(鈴木潤一 君) 今、議員の資料のとおりアンケートを取っていただけるかということなんですけれども、こちらの資料を見させていただきまして、東京都、あるいは愛知県では、議員お示しのとおり、既に試行的な場所を含めて公園での花火の使用を認めている箇所があるということは承知しています。

 一方、県内にちょっと目を向けてみますと、県内は基本的には全部禁止になっておりまして、浜松市のみ使用可という形になっております。

 しかしながら、こちらのほうは、また国のほうにおきましても、これから新しい時代に向けて、利用ルールの弾力化ですとか、もっと多様化する利用者ニーズに対して柔軟に応える方策が必要というふうな形で今ちょっと示されておりますので、その辺りをこれから少し調査する形でちょっとアンケートのほうを、地域の公園の花火の使用が可能であるかとか、あるいは公園ごとにルールを決めるなど、他市の事例とかを調査させていただきながら、研究をさせていただきたいというふうに考えています。 


◆3番(市川真未 議員) 静岡県は遅れていますね。調査する形でアンケートを取っていただけるという認識でしたが、こちらは、ぜひアンケートを取る上で、花火にとどまらない公園の在り方をしっかりと、子供の意見も取り入れながら見直してほしいと思います。

 例えば大分県別府市でも、周りに花火をできる場所がないというお子さんが多数いて、公園の中で花火ができたら楽しいよね、いいよねという形で、子供たちの夏の思い出の一助になればと思い、公園での花火の使用許可を出したとのことです。

 いろいろ我慢させていた子供たちに楽しい夏の思い出を。花火を通じて火の美しさや怖さを知り、大勢の友達と交流することは、子供の成長につながる。花火ができる公園がもっと増えてほしい。そういった住民の要望に応える形で、試験的にルールをつくったり工夫したりと、動き出している自治体が本当に増えています。

 これは地域の子供たちの夏の思い出づくりのため、にぎわい創出につながる公園等の活用の一環になると思います。

 例えば庁舎駐車場を利用して手持ち花火を楽しめるイベントを開催したなんていう自治体なんかもあります。

 子供たちの娯楽と近隣住民への迷惑、富士市はどちらを選択するのでしょうか。

 公園の花火を禁止している自治体の理由は多々ありますが、例えば危険のおそれのある行為だとか、他人に迷惑となる行為だとか、近隣への騒音などの懸念から踏み切れないなど。ただ、こちらの騒音問題については、騒音問題に詳しい八戸工業大学の橋本名誉教授が、手持ち花火やそれで遊ぶ人の声はそれほど大きな騒音と言えず、迷惑行為と容易に禁止するのは好ましいことではないと指摘しています。

 その上で、利用のルールや実施可能な公園を選ぶ基準を明確に示し、事前に住民への丁寧な説明を行うなど、適切な配慮の姿勢で実現の方法を模索するのも行政の役割ではないかと言っています。

 クレームの多過ぎる世の中です。もちろんこういったものを解禁すれば、クレームが入ってくる可能性もあります。そのためにはリーダーの責任を取るという姿勢が重要だと思います。子供たちに我慢させ続けるのか、もしくはやってみるのか。現代社会では責任感のある人が減ってしまったように感じます。

 手持ち花火であれば施設に危険を及ぼさない、迷惑にも当たらない。気をつけるべきは人の話し声と花火の煙ですが、最近では煙の多くないタイプの花火もあったりだとか、消火用のバケツがセットになった商品もあります。今のおもちゃ花火は安全です。そして、安全に使うことを学ぶことで人は成長するのだと思います。

 答弁の中の周囲の方に迷惑をかけることのないよう、使用後の火の始末やごみの持ち帰り、火の取扱いに注意する等は当たり前のことだと思います。

 日本では人に迷惑をかけちゃ駄目と教えますが、私が20代後半に暮らしていたインドでは、人に迷惑をかけないと生きられないのだから、人のことも許してあげなさいと教えます。幾ら気をつけても他人に迷惑をかけないで生きることは無理です。迷惑をかけたくないという気持ちは心配をかけたくないという気持ちにつながり、頼れなくなっていきます。失敗も他人への迷惑になるので、チャレンジする気持ちも薄れていきます。人に迷惑をかけられない人は、迷惑を許容、受け入れることもできなくなっていきます。人に迷惑をかけてもいい。その代わり、迷惑をかけられたら助け合い、許しなさい。ルールで制限するのではなく、人を認めて受け止めてあげる。人を許す心と、自分の不完全さも受け入れられる心を育てることで、もっと生きやすくなるのではないでしょうか。

 クレーマーを育てていったのは誰でしょうか。寛容ではない社会、寛容ではない富士市、このままでいいのでしょうか。

 そこで、富士市でも、来年の夏に向け、地域の子供たちの夏の思い出づくりのために、他自治体の事例などを調査して花火の使用に関するルールを定めて、今後、もっと前向きに花火の使用について考えていっていただければと思います。

 また、花火の使用について、まずはウェブサイトやグーグルなどで検索をしたのですが、富士市内のどこで花火ができるのかだとか、そういったルールについて、富士市のウェブサイトだとかでは何も出てきませんでした。今後は、おもちゃ花火の使用だとかについては「広報ふじ」やウェブサイト等で周知していただけるという御答弁でしたので、こちらは安心いたしましたが、例えば静岡市消防局のウェブサイトには、「ルールを守って楽しい花火を!」とし、花火実施時の10の約束や、消防部予防課が花火教室を火災予防教育の一環として小学生以下を対象に開催しています。このように消防が花火のルールの啓発発信を行っているケースも多いです。

 沼津市では、観光ポータルのQ&Aで、海岸でバーベキューや花火を許可なしに行っていいかという質問に対し、しっかりと回答しています。市民の質問にウェブサイト上で回答することで、市職員が対応するという負担も減らせるかと思います。こういった広報をしっかりとしていっていただければ幸いです。


 今回、学校給食とおもちゃ花火について質問させていただきましたが、どちらもメインの対象となるのは子供であり、そして、その子供を取り巻く環境です。コミュニティ・スクールをうたう本市ですが、地域で子供を育むという意味で考える必要性、そして、子どもの権利条例をつくったのに、子供の意見がまだまだ取り入れられていないという現状を感じました。意見を聞く人、そして言う人が偏っているかと思います。

 少子高齢化の社会の中で意見を聞いても、数の少ない子供側の意見は埋もれていってしまいます。そしてそれが、当事者たちの、どうせ言っても聞いてくれない、意味がないという雰囲気につながっていっているのではないでしょうか。住民の意見はしっかりと、年齢や性別、所属ごとに分けて分析する必要があると思います。誰一人取り残さない。声の大きさではなく、一つ一つの意見に対して真摯に聞く耳を持ってほしいと思います。 

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