ごみ収集の課題と今後について
- 市川まみ

- 10月5日
- 読了時間: 14分
2025年06月30日(月)
一般質問Vol.9
1.富士市総合計画について
2.ごみ収集の課題と今後について

2.ごみ収集の課題と今後について
ごみ集積所は自治会が設置し維持管理を行っているが、ごみ収集に関する現状と課題を本市がどのように捉え、今後どのように持続可能なごみ収集を目指すのか、以下質問する。
(1) 自治会未加入者がごみを出す権利について、どのようにお考えか。
(2) ごみ集積所はどのような場所に設置しているのか。
(3) 現状のカラス対策とその効果はいかがか。
(4) 夜間収集の検討をしたことはあるか。
動画40.20〜
市長(小長井 義正 君)
次にごみ収集の課題と今後についてのうち、自治会未加入者がゴミを出す権利についてどのようにお考えかについてではありますが、町内会・区における自治会未加入者のごみ出しへの対応につきましては、各町内会・区が抱える大きな問題の一つであるとしており、全国的にも同様の問題が多く発生し、裁判には転したケースもあります。令和5年に確定した大阪高等裁判所の判決では、自治会が相応な対価を求めた上で利用を認める提案をせず、利用を一切認めないしたことは不法行為としあ一方、自治会が設置、維持管理するごみ収集所を相応な対価を負担しない未加入者の利用する権利を認めることはできないとされております。このことから、本市といたしましては、この判例を参考に、同様の問題を抱える町内会・区に対しまして、地域の実情を踏まえたごみ収集所のルールを作成していただき、そのルールのもと、地域にお住まいの全ての皆様がごみ収集所を利用できる仕組みを作っていただきたいと考えております。
次に、ごみ収集所はどのような場所に設置しているのかについてでありますが、町内会・区が維持管理する集積所は市内の3280か所あり、その設置場所につきましては道路、歩道、下線等の公共用地、民有地、公会堂敷地、集合住宅地等ありますが、ごみ集積所の用地剪定につきましては、町内会・区の皆様に地域の実情を踏まえて候補地の選定をお願いしております。市は選定された候補地を設置基準に照らし合わせ、ごみ出し時の安全性や収集時の周辺への影響等を確認した上で、町内会・区によりましては、ゴミ集積所用地の確保が困難な場所があり、地権者からの用地の使用承諾や隣接者からの同意を得ることが難しい場合もあります。このような場合には、町内会・区から御相談していただくことにより、市からも地権者及び隣接者の方に協力をお願いする文書を作成するなど、設置に向けた支援を行ってまいります。
次に、カラス対策とその効果はいかがについてでありますが、現状のカラスよけ対策の代表的なものといたしましてはカラスよけネットと折り畳み式ゴミネットボックスがあります。カラスよけネットは一定の効果を期待できるものの、ネット脇の隙間からごみが引きずり出されてしまうことがあり、十分な効果が得られない場合もあります。市といたしましては、効果的なカラスよけネットの活用方法について、ごみ収積所の維持管理を担う町内会長・区長の皆様にお役立ていただくため、毎年配布しておりますごみ集積班でブックに掲載し、活用例をご案内しているところであります。また、折り畳み式のネットボックスにつきましては、設置できるスペース確保が必要となりますが、導入しているごみ集積所におきましては十分なカラスよけ効果が得られております。その他のカラスよけ対策といたしましては、本年度新たに富士環境衛生自治推進協会から猛禽類や動物の目をかたどったカラスよけグッズ等4種類の提供を受け、希望する町内会・区に対して配布し、その効果を確認していただい手いるところであります。
次に、夜間収集の検討をしたことはあるかについてでありますが、家庭ごみの夜間収集につきましては福岡市をはじめとする都市部において実施されており、収集時における交通事故、交通渋滞による収集遅延への対策に一定の効果があると認識しております。しかしながら、家庭ごみの夜間収集の実施に当たりましては、新環境クリーンセンターの夜間受け入れ体制の整備や人材の確保による人件費及び委託費用の増加が見込まれるほか、ごみ収集の夜間に対する新環境クリーンセンター周辺地区に皆様のご理解が必要など、多くの課題があります。ごみ収集業務の一部を委託している一般廃棄物協同組合におきましても、運送等のドライバー不足による収集作業員の確保が困難となっていることや昨今の人件費の高騰が問題となっており、夜間収集となればその問題がさらに大きくなると伺っております。また、暗い中でのごみ出しや収集に伴う市民の皆様や収集作業員の安全確保に加え、ごみ収集車のプレスオンや作業員の安全確認の声かけに伴う騒音発生などが懸念されるところであります。このように、夜間収集の実施には解決しなければならない課題が多いことや本市と福岡市などの都市部では交通事情や都市構造も大きく異なることなどから、現在まで具体的な検討はしておりませんが、今後、適切な収集体制を検討する中で夜間収集についても情報収集に努めてまいります。
◆3番(市川真未 議員)
では、ごみ収集の課題と今後について。ごみ集積所をめぐるトラブルというのは、先ほどの市長答弁にもありましたように全国で多発しております。2年前の調査でも、7割もの自治体で自治会への非加入者が地域のごみ集積所を利用できない問題を抱えていると示されておりました。
そこで、質問(1)の自治会未加入者がごみを出す権利について、どのようにお考えかに対して、市長答弁のほうでは、問題だと捉えている、そこで利用ルールの策定をするということでした。先ほど別の事例も挙げさせていただきましたが、今までいろいろな裁判があった中でも、焦点というのは代替策を一切講じなかったということにあったかと思います。
そこで、2022年のときは神戸市、2024年のときは福井市で年1万5000円でごみステーションを使用する権利があると認められています。やはりこういったルールがないことで、それぞれの目治会でもめごとがあったりすると思いますので、こういったルール策定をしていくことを目指すということで、少し安心いたしました。
現在、富士市町内会連合会の加入世帯数というのは8万7487世帯で、加入率が全体の78.68%、つまり5人に1人が加入していないということになります。これは10年前に比べると15%近く加入率が低下していますし、これからも人口減少に加えて、ごみ出しができない高齢者の数もどんどん増えていくと思います。自治会自体は任意団体ですが、ごみ集積所の設置管理は自治会が行っておりまして、日々の掃除や違反ごみ等で、やはりいろいろと課題、問題が浮き彫りになっているかと思います。
また、昨今、自治会の加入を敬遠する風潮が高まっている中で、自治会の存在を前提とした行政サービスというのに、もうそろそろ限界が来出しているんじゃないかなと思います。そもそも私は、ごみ収集は本来行政が担うべき仕事であって、自治会ありきの仕組みにはもう限界が来ていると思います。行政は根本的にごみ収集の在り方を見直す必要があります。例えば、まず自治会未加入者には外国籍の方もいるかと思いますが、世界的に見ても日本のごみ分別というのはとてもルールが厳しくて、外国人は困惑するケースが多いのではないかなと思います。
そこで、環境部長にお伺いしますが、外国籍の方へのごみ集積所とか分別についてはどのように案内しているのか、お答えください。
環境部長(山本 秀之君)
外国人へのいわゆる情報提供ということなんですが、外国人の方はかなり異動されて来られる方が多いものですから、転入時には、分別の表をお渡しするのと、もう一つ、集積場所のカレンダーを8か国語で用意しておりまして、分かる言語のものをお渡ししております。もう一つ、今、さんあ〜るというごみ分別アプリの普及に努めておりまして、アプリのほうも日本語を含めて8か国語ありますので、それはお使いのスマートフォンに設定されている言語で活用することができますので、このアプリをいかに外国人の方々にダウンロードしていただくか、その情報提供を今後積極的に進めたいと思っています。
以上です。
3番(市川真未議員)
ごみ分別アプリ「さんあ〜る」の周知といいますか、今は外国人の方にはどのように知っていただいているのか、お答えください。
環境部長(山本 秀之君)
今はなかなか町内会とかに加入されていない方が多いので、今は転入時しか接点があまりないんですが、最近、外国人の方が増えたことによって、いわゆる外国の食材を扱う店舗だとか、外国人の方が集まるようなところに今後チラシを貼っていただくとか、そういったことをしたいと考えています。 以上です。
3番(市川真未議員)
本来、転入時がチャンスかと思うんですが、実際私も富士市に戻ってきたときに、そもそもごみ集積所の場所はアパートの管理会社に教えていただいたんですが、町内会に入りたいなと思ったときに何軒も回って、ようやく区長を知ることができて、また、別ルートから町内会長を知れた。そのように私ですら苦労している中で、本来、そもそも自治会に加入だとか、自治会にそんなに興味がない人にとっては、もう全く接点がないような状態になってしまっています。本来だったら転入時にそこの案内ができたらいいのかなと思うんですが、任意団体ということで、そこを本市が紹介することも難しいのかなということで、多くの課題を抱えているんじゃないかなと感じています。
(2)のごみ集積所の場所についてですが、現在3280か所、昨年から1か所減ったのかなと感じたんですが、そこで資料を覧ください。

資料の左側に公園に隣接したごみ集積所の写真を載せさせていただいているんですが、こちらは市役所の西側にございます公園の歩道沿いにこのような形でごみ集積所があります。市役所の周辺はすごくカラスが多いんですよ。もう本当に空を真っ黒に覆い尽くすぐらいカラスが多い場所でして、そんな中、やはりカラス対策が求められています。ここの場所でカラス対策というのは、やはり歩道で難しい。では、場所を変えたりだとか、もしくは公園の中にボックスを設置したい。そんなふうに相談をさせていただいたんですが、やはり歩道には設置できない、公園内も駄目、移設の場合は、町内会長、民地でどこか探してきてくださいというふうに回答されました。もうあれもこれも駄目で、昨今、町内会長というのは、例えば輪番制だったり、くじ引きだったり、数年で替わっていく中で、町内会長が新しい民地を探すというのはなかなか難しくなってきていると思います。果たしてそれはこの時代に合っているのかなと疑問に感じました。先週、小池智明議員が公園についての質問をされていましたが、富士市には公園が1人当たり12.5平米、近隣市町の倍以上公園を整備してきたということが分かりました。
そこで、都市整備部長にお伺いしますが、公園内というのは、法律上、難しいのかもしれませんが、では、公園区域の面積を変えることで対応できるのではないかと思いますが、都市整備部長の御見解をお聞かせください。
都市整備部長(鈴木 潤一君)
公園の区域を変えればごみ集積所が設置できるのではというお話かと思うんですけれども、公園の区域の変更につきましては、都市公園法の第16条に都市公園の保存ということで規定しておりまして「みだりに都市公園の区域の全部又は一部について都市公園を廃止してはならない。」とされており、原則認められておりません。ただし、公園以外の施設が、例えば都市計画決定されて、それが都市計画事業として施行されるなど、やむを得ない理由がある場合のみ認められております。このことから、ごみ集積所を設置するために公園の区域を変更することは極めて困難であると考えています。御理解いただきたいと思います。以上です。
3番(市川 真未議員)
近隣住民が困っていて、ごみ集積所を変えたいと言っても、それはやむを得ない事情ではないということでしょうか、お答えください。
都市整備部長(鈴木 潤一君)
先ほど説明させていただきましたが、都市計画事業という法定的な事業とか、そういう特別なものだけが法令、施行令で認められているということで、今回のごみ集積所については認められておりませんので、理解をお願いいたします。以上です。
3番(市川 真未議員)
今回こちらのごみ集積所を取り上げさせていただいたんですが、その後に調べたところ、下の写真のように公園に隣接した道路、歩道に面したごみ集積所がすごく多いなと感じました。例えば富山市では土地に余裕があるため、こういったごみ集積所に関するトラブルというのはあまりないとのことでした。具体的には用水路の上に設置していたり、住宅地の隅に必ず集積所の設置スペースを確保していたり、分譲地を造るときに近隣住民に悪影響が少ない公園内などにごみ集積所を事前に設置というふうに聞きました。つまり公園内に設置しているところもあったんですが、もしかしたらこれは法律が制定される前なのか、分からないんですが、こういった自治体があったので、ぜひこの辺りは検証していただきたいなと考えるんですが、また、小池智明議員の質問の中で、公園愛護会というのが実は様々な形で市域で公園を活用してもらえるというふうな御答弁だったかと思いますので、ぜひ公園というものをもっと地域で活用することにより、分からないですけれども、もしかしたらごみ処理についても公園愛護会をつくることで公園内に設置することが可能か、お答えください。
都市整備部長(鈴木 潤一君)
公園愛護会みたいなものをつくればごみ集積所を設置できるのかという御質問かと思うんですけれども、まず、公園の本来の目的というのは、レクリエーションの場を提供、そして、良好な都市景観を形成することなどでありまして、公園施設以外の物件などは公園の効用を阻害することはあっても、これを増進することにはならないと考えられており、このため、法令で公園に設置することができる施設や専用物件として許可できるものが定められております。都市公園に設置できる施設は都市公園法に定められておりまして、設置できる施設としては、園路広場ですとか修景施設、共用施設、遊戯施設などがありまして、この間、小池智明議員からお話がありました菜園なんていうのも認められているんです。そもそも公園に認められているもので、公園愛護会がこういう形で活用したいというものは、そのような弾力的な運用をしていきたいとは考えておるんですけれども、ごみ集積所は設置できる施設に該当していませんので、そういった運用はちょっと難しいと考えております。以上です。
環境部長(山本 秀之君)
町内会の方々に、ごみの集積所の管理について大変御苦労をかけているというのは環境部としても責任の一端はあるんですが、今の公園の関係につきましては、やっぱり法律上、非常に難しいというのは僕らも理解をするところです。ただ、地域の皆さんが、より近くに、便利な場所に出せる場所を確保する。これは重要なことなので、今回の物件であれば、市もここの町内会長と一緒になって探して、市民の方も、出す方も苦労されない場所で、両者で、いわゆる落としどころと言うのは何ですけれども、納得のいく場所を確保していきたいと。そのためには町内会長と一緒に協力させていただくようにしますので、創理解いただきたいと思います。
ただ、このような問題点はこれからどんどん出てくるんじゃないかな。実際にもう出ているかと思うんですが、増えていくんじゃないかなと感じています。
質問(3)については既に当局のほうで様々、ハンドブックであったり、ごみネットボックス、また、協会からカラスよけグッズなども提供されているということで、難しいのかもしれないですが、様々な用意をされているということで安心いたしました。
ですけれども、パッカー車と人数が倍ぐらいになる、イコール経費も倍になる。その辺をどう考えていくか。また、先ほど従量制というお話がありましたが、そういったところは基本的に有料で、ごみ袋に料金が付加されております。富士市は今原価でやっておりますので、いかに市民の負担をかけずにこの原価をどうやって維持していくか、その中でよりよい方法を研究していきたいと思っています。
以上です。
3番(市川 真未議員)
今回は総合計画とごみの収集について、どちらも長く運用されてきたことに対して、時代の変化に追いついていない、形骸化していると感じたため、取り上げさせていただきました。やはり変化の激しい時代の中で、少し立ち止まって整理整頓し、また、未来に対して考える必要があると思います。以上で私の一般質問を終わります。



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